年の瀬ともなると、戦前よく聞いた「果ての20日」という言葉を思い出す。
12月20日はその昔、1年の罪やけがれを洗い清める、締めくくりの日だったとか。
お東さん、お西さん(東西両本願寺)では「おすす払い」の行事があり、家庭でもそろそろ大掃除に。
子供たちも大張り切りで、跳び回ったり、はいずり回って懸命にお手伝い。
といっても目的は別にあり、タンスや長持ちの後ろに何かいいものが落ちてないかと、虎視たんたん。
夏の衛生掃除ではビー玉やベーゴマ、大ファンだった横綱「双葉山」の絵のメンコも出てきたし、畳のすき間に落ちていた1銭玉を見つけて大喜びしただけになおさらだ。
これから年末まで、もちつきや迎春の準備で大忙しなのは大人だけ。子供らは手伝いながらも、やはり、うるさくはしゃぎ回って、1年が終わるのが相場だ。(絵と文:木村祥刀)
1994年12月14日 京都新聞 掲載
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