福笑いは目隠しをして、お多福など顔の輪郭を描いた紙の上に、まゆ、目、鼻、口をかたどった紙を置いてゆく遊び。勘が頼りだから、出来上がりはおかしな顔になって、大笑いの連続だ。
双六(すごろく)は3、4人が順にサイコロを振って、出た目の数だけこまを進め、1回休みや振り出しにもどったりと、難所を越えて早く上がりまで進めば勝ち。
東海道五十三次の道中双六や、日中戦争が激化していただけに敵陣を占領すれば上がりといった双六も。
どちらも正月ならではの、一家だんらんのなごやかな遊びだった。
ささやかでも床の間には鏡もちを飾り、縁起ものの竹ぐしにさした干し柿(両端に2つずつ、中に6つで、いつもニコニコ、仲むつまじく)をのせて、初参りでも家の神棚にも、ひたすら平和を願って祈りつづけていたのだけれど…。
(絵と文:木村祥刀)
1995年 1月11日
京都新聞 掲載
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