昭和ひとけた京育ち No.36「雪あそび」
 

No.36「雪あそび」

雪あそび

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  雪や こんこん

  あられや こんこん

  降っても 降っても

  まだ降り やまず

 夕方から降り始めた雪が、見る見るつもって、明け方にはもう一面の銀世界。昔は京都の町なかでも、ひと冬に何度となく見られた大雪の朝だ。

  犬は よろこび

  庭 かけまわる

 子供たちも大はしゃぎで、暗いうちから眠さ、冷たさも忘れて雪だるまづくり。雪のかたまりを転がして、大きくした二つをつみ重ね、まゆと鼻は炭、目には丸いタドンをうめこんで。

 登校するころには、バケツの鉄かぶとをかぶり、棒っきれの鉄砲をかついだ兵隊さんの雪だるまが、大きさを競うように、町内ごとに立ち並んでいた。

 女の子たちも、お盆の上にかわいい雪のウサギをつくり、目には真っ赤な南天の実をつけて「キャッ、キャッ、キャ」と、その元気だったこと。

   (絵と文:木村祥刀)

1995年 1月25日 京都新聞 掲載


     

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