雪や こんこん あられや こんこん
降っても 降っても
まだ降り やまず
夕方から降り始めた雪が、見る見るつもって、明け方にはもう一面の銀世界。昔は京都の町なかでも、ひと冬に何度となく見られた大雪の朝だ。
犬は よろこび
庭 かけまわる
子供たちも大はしゃぎで、暗いうちから眠さ、冷たさも忘れて雪だるまづくり。雪のかたまりを転がして、大きくした二つをつみ重ね、まゆと鼻は炭、目には丸いタドンをうめこんで。
登校するころには、バケツの鉄かぶとをかぶり、棒っきれの鉄砲をかついだ兵隊さんの雪だるまが、大きさを競うように、町内ごとに立ち並んでいた。
女の子たちも、お盆の上にかわいい雪のウサギをつくり、目には真っ赤な南天の実をつけて「キャッ、キャッ、キャ」と、その元気だったこと。
(絵と文:木村祥刀)
1995年 1月25日
京都新聞 掲載
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