昭和ひとけた京育ち No.42 「ゴム跳び」
 
No.42 「ゴム跳び」

ゴム跳び

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 「俵のネズミが 1匹入ってチュッ 2匹入ってチュッ」

 この遊び歌は縄跳び。ゴム跳びは輪ゴムをつなぎ、跳ぶ高さを競う遊びで「お1段跳び」とも言った。

 足首の高さから、ひざ、腰、胸と高くして、男跳びや女跳び(横跳び)、後跳びと、高くなると足先にゴムをひっかけて跳んだり、逆立ちで跳ぶ活発な子もいた。

 戦前は、身を切るような寒風の中でも、頬(ほお)をリンゴのように真っ赤にした子供たちの歓声があふれていた。

 「先にゆくもん 泥棒 後からゆくもん 巡査」 

 「ほっちっち かもてなや あんたの子でなし孫でなし あかの他人や ほっちっち」

 「あほ ぼけ まぬけ ひょっとこ カボチャ」

 「ゆうーたろ ゆうたろ 先生に ゆうたろ」

 大声で言いあった悪口歌も、鼻たれ小僧のわんぱく顔も、今は何もかもが消え去って、ただ懐かしいだけ。

  (絵と文:木村祥刀)

1995年 2月8日 京都新聞 掲載


     

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