「俵のネズミが 1匹入ってチュッ 2匹入ってチュッ」
この遊び歌は縄跳び。ゴム跳びは輪ゴムをつなぎ、跳ぶ高さを競う遊びで「お1段跳び」とも言った。
足首の高さから、ひざ、腰、胸と高くして、男跳びや女跳び(横跳び)、後跳びと、高くなると足先にゴムをひっかけて跳んだり、逆立ちで跳ぶ活発な子もいた。
戦前は、身を切るような寒風の中でも、頬(ほお)をリンゴのように真っ赤にした子供たちの歓声があふれていた。
「先にゆくもん 泥棒 後からゆくもん 巡査」
「ほっちっち かもてなや あんたの子でなし孫でなし あかの他人や ほっちっち」
「あほ ぼけ まぬけ ひょっとこ カボチャ」
「ゆうーたろ ゆうたろ 先生に ゆうたろ」
大声で言いあった悪口歌も、鼻たれ小僧のわんぱく顔も、今は何もかもが消え去って、ただ懐かしいだけ。
(絵と文:木村祥刀)
1995年 2月8日
京都新聞 掲載
|
|