昭和ひとけた京育ち No.51 「花いちもんめ」
 
No.51 「花いちもんめ」

花いちもんめ


※本作品は、新聞連載終了後の1995年8月14日から20日までのあいだ、北区の「関西電力京都上営業所アミュージアム」で展示会を開催した際、抽選にて来観者の方に贈呈いたしました。

 画像は、ポストカードからスキャニングしたものです。ご了承ください。


 なお、木村祥刀の遺族からなる「木村祥刀顕彰会」では、今後の展示会や書籍の出版に備え、作品の所有者の方をさがしております。

 寄贈者の方で、このホームページをご覧になり、ご賛同いただける場合は、ぜひ書肆清山(おなじく遺族からなる私家出版社)までメールでご一報ください。

木村祥刀顕彰会 代表 木村元亮


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  ふるさと もとめて 花いちもんめ

 厳しい寒さの中では、歌声にも力が入ってかん高くなる。しかし、3月ともなると、もう春風の日もあって、歌声も軽やかに弾み出す。

  勝ってうれしい 花いちもんめ 負けてくやしい 花いちもんめ


 女の子が集まって2組に別れ、手をつないで、

  タンス長持ち どの子が欲しい


  ○○ ちゃんが欲しい


 交互に歌って、歩み寄っては退いて、名指しされた子同士が「ジャンケンポン」。勝った組は、負けた組に「お嫁さんでおいで」「お婆ちゃんでおいで」などと注文する。

 「兵隊さんでおいで」なら、負けた子は歩調をとり、敬礼をしながらのジェスチャーで、大笑いの中を相手の組へもらわれてゆく。

 笑顔と笑顔が寄せては引いて、また寄せて…。なんとなごやかな遊びだったことか。あの、花いちもんめ。

  (絵と文:木村祥刀)

  1995年 3月1日 京都新聞 掲載


     

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