工事現場に積んである砂利山や、材木、土管置き場を見つけると、冒険心いっぱいの子供たちは、平地の道路や原っぱにはないスリルを求めて集まってくる。
土管の中は、女の子たちが独占して、マイホーム気分で、ままごと遊び。男の子たちは、ひざ小僧をすりむきながら、てっぺんへの一番乗りをめざす。
お山の大将 ぼく一人 あとから来るもの 突き落とせ
落ちて顔をしかめる子に、
おたやんこけても 鼻打たん でぼちん打っても 鼻打たん 雨が降っても傘いらん 当たりきしゃりき ほっとけ ベェーだ。
口をとんがらせて、やりあってもあとはケロリ。
遠くで聞こえる紙芝居の拍子木に、ポケットの一銭玉を確かめあい、肩を組んでスキップで駆け出していったあのころ。なんのこだわりもなかった、遠い日々。(絵と文:木村祥刀)
1995年 3月9日
京都新聞 掲載
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