昭和34年。重さや長さ、面積をはかる単位は、すべてメートル法に統一されて尺貫法は廃止に。
それまでは長さは、里・町・間・尺・寸・分・厘、また面積は、町・反・畝・坪、さらに重さは、貫・匁・斤などで表した。
重さをはかるはかりには目盛りの入った棒の先端近くに、ぶら下げる支点のひもがあり、片端にはかる品をのせる皿がついていて、分銅を動かして目盛りを見る「さおばかり」があった。
行商の八百屋さん、魚屋さんには手軽なはかりで、200匁(100匁は37.5グラム)、300匁と、手早くはかり、子供には不思議なくらいだった。
重い米俵用などは皿のかわりにカギがついていて、カギで俵をつるし、てんびん棒を支点のひもに通して2人がかつぎ、1人が分銅を動かす姿も見かけた。
先日、東寺の弘法さんの市で見たさおばかりを、若者が「昔の魚とりの道具やろ」と言っていた。はや昭和も遠く…か。(絵と文:木村祥刀)
1995年 3月29日
京都新聞 掲載
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