「かぁーごめ かごめ かごの中の鳥は いついつ出ーやーる 夜明けの晩に 鶴(つる)と亀がすーべったぁ」
ジャンケンで負けた子が鬼になって目をふさぎ、しゃがむ。その周りを、他の子らが手をつなぎ、はやすように歌いながら回る。
「うしろの正面だぁーれ」
回っていた子らが一斉にうずくまると、鬼の子が目をつむったまま、うしろの子の顔や体にさわって名前を当てる。
当てられそうになると、自分の特徴をかくそうと、口をとがらせたり、ほおをふくらませたりと、懸命に百面相を演じる。
そのおかしいこと、楽しいこと、見守る子供たちは、吹き出しそうになるのを、じっとこらえて身をよじる。
みごとに名前を当てると、鬼は交代。当たらないと、また鬼になり、手をとりあって、輪になって、声をそろえて、「かぁーごめ かごめー」。(絵と文:木村祥刀)
1995年 3月30日
京都新聞 掲載
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