しー こいこい しー。
男の子が草むらでおしっこを始めると、蛙(かえる)たちがびっくりしてピョン、ピョンと跳び出してくる。それを申し訳なさそうに頭や肩にのせて、ごめん、ごめん。
男の子たちは、だれも生きものが大好きで、ほ乳類でも、は虫類でも平気で捕っては、かわいがっていた。
でも、時には残忍なことも平気で、蛙のお尻(しり)に麦ワラのストローで息を吹きこんでふくらませたりと、ひどいこともしたけれど命を救ってやった事もあった。
ある雨の日、小さな蛙がおびえたように、うずくまっているのを見つけた。
なんと草むらで蛇が赤い舌をだして狙っている。
一大事だ、と、蛇を追っぱらうと、蛙はうれしそうにピョーンとジャンプした。
蛇ににらまれた蛙
そんなたとえを聞いたけど、本当だったとつづり方(作文)に書いた覚えがある。
(絵と文:木村祥刀)
1995年 6月 6日
京都新聞 掲載
|
|