木村二瓶子 短歌秀作選
壺とわれとにふりそそぎ居り
これはその仕事場をうたつたもので、春の日の射し込んだ工房の風景
が絵画的で美しい。 (昭和三十一年五月九日・京都歌壇掲載)
われの心をのぞくが如し
描写がしつかりしている。ことにカマキリを点出して来たところ色彩感も鮮や
かであつて陶工らしい作品といつたらいいであらう。 (京都歌壇掲載)
肌のまるみをいつまでも撫づ
その曲線をいくたびか消す
遭ひしよろこび壺に写しぬ
工房の土掌につめたく
音羽の滝をふりかへり見る
二瓶子目次へもどる
TOPページにもどる
Librairie Seizan of KYOTO Established 1996