夏も近づく 八十八夜 野にも山にも 若葉がしげる トントン
女の子同士が出会い、手を取り合って楽しそうに話し、笑って、やがてどちらからともなく、手のひらで、「せっせっせ」とお手合わせ。
あれに見えるは 茶摘みじゃないか トントン
女の子は遊びながら、いつも歌っていたようで、童謡や唱歌をテンポをはやめたり、替え歌にしたりしてたのしんでいた。
昭和13年から14年にかけて、女性のパーマネントや町のネオンが禁止され、衣服も純絹製が
“スフ”
に、金属製品も竹、木、陶器の代用品になり、車はガソリン不足で木炭車、靴は豚革、おもちゃもブリキ製はなくなっていった。
でも、子供たちはくったくなく、工夫した遊びで、歌い、笑い、楽しんでいた。
旅順開城約なりて トン敵の将軍ステッセル トントン
(絵と文:木村祥刀)
1995年 2月21日
京都新聞 掲載
|
|