昭和ひとけた京育ち No.69 「にらめっこ」
 

No.69 「にらめっこ」

にらめっこ

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 「上がり目 下がり目 くるりと回って ニャンコの目えー」

 2人が向き合って、相手を笑わせようと、ありったけひょうきんな顔をするのが、にらめっこ遊びだ。

  「かいぐり かいぐり あわわ おつむてんてん とっとの目えー」

 夕食支度の慌ただしい時でも、子供たちは寸暇を惜しむようにはしゃぐ。テレビなどない昔の寝るまでの娯楽は、兄弟姉妹の楽しいふれあい。

 でも、たちまち様子は一変して、相手のおでこをコチン。むしゃぶりつく子、逃げ回る子、止めに入る子。

  「泣き虫 毛虫 はさんで捨てろ 甘えたのあかんたれ」

 大騒ぎの果ては、疲れきって、兄弟がまくらを並べて、ふて寝の早寝。

 家族の多かった昔の子供たちは、思い出をいっぱい積み重ねて育っていった。

(絵と文:木村祥刀)

  1995年 4月19日 京都新聞 掲載


     

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