「上がり目 下がり目 くるりと回って ニャンコの目えー」
2人が向き合って、相手を笑わせようと、ありったけひょうきんな顔をするのが、にらめっこ遊びだ。
「かいぐり かいぐり あわわ おつむてんてん とっとの目えー」
夕食支度の慌ただしい時でも、子供たちは寸暇を惜しむようにはしゃぐ。テレビなどない昔の寝るまでの娯楽は、兄弟姉妹の楽しいふれあい。
でも、たちまち様子は一変して、相手のおでこをコチン。むしゃぶりつく子、逃げ回る子、止めに入る子。
「泣き虫 毛虫 はさんで捨てろ 甘えたのあかんたれ」
大騒ぎの果ては、疲れきって、兄弟がまくらを並べて、ふて寝の早寝。
家族の多かった昔の子供たちは、思い出をいっぱい積み重ねて育っていった。
(絵と文:木村祥刀)
1995年 4月19日
京都新聞 掲載
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