昭和ひとけた京育ち No.91 「石けり」
 
No.91 「石けり」

石けり

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 いちじく にんじん 山しょうにしいたけ ごんぼにむかご。

 女の子たちが集まって、数かぞえ唄(うた)を歌いながら、手拍子をとる。道路にはローセキで描いた円が10個。

 1人の子がケンケンで石をける。けった石を順々に円の中へ入れて進んでゆくと勝ちで、石が円からとび出すと負け。

 なんきん 山いも きゅうりにとんがらし。

 女の子たちはいつもポケットに、ゴム跳びの輪ゴムの束や、あやとりのひも、それに石けりの平たくて、すべりのよい愛用の石を持っていて、いつどこででも遊べるようにしていた。

 石ころ1つ、ひも1本ででも、工夫して和気あいあいと遊んでいた昔の子供。

 九つ高野の弘法さん 十で東京の浅草寺

 「わあーい 勝ったあ」。いろいろな数え唄を歌いながら、無邪気に小躍りする姿は、真から楽しげだった。

(絵と文:木村祥刀)

  1995年 6月13日 京都新聞 掲載


     

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